コーヒー豆の栽培標高は、味に大きな影響を与えます。一般的に、標高が高いほど気温が低くなり、コーヒーの成長がゆっくりになるため、豆の品質や風味が向上するとされています。どのような特徴の味になるか比較してみました。
コーヒー栽培の標高に対する味の特徴
■低標高（0〜800m程度）
気候：温暖で成長が早い
味の特徴：ボディが重く、苦味や酸味が控えめで、やや平坦な味わいになりやすい
例：台湾の一部地域、インドネシアの一部地域など
■中標高（800〜1,200m程度）
気候：適度な気温で成長が適度にゆっくり
味の特徴：バランスの良い酸味と甘み、複雑なフレーバーが出やすい
例：ブラジルの一部地域、コロンビアの中部など
■高標高（1,200m以上）
気候：涼しく成長が非常にゆっくり
味の特徴：明るい酸味、フルーティーで華やかな香り、クリーンで繊細な味わいが特徴
例：エチオピア、ケニア、グアテマラの高地など
標高が高いほど、気温が低く成長が遅いため、豆の密度が高くなり、酸味や香りが豊かで複雑な味わいになる傾向があるようです。また低標高の豆はボディが重く、苦味が強いことが多い。豆の焼き方（時間や火力）だけでなく栽培スピードや土壌も味に大きく影響するようですね。では味以外はどうでしょうか？
味以外での利点について
味以外にもコーヒー豆の栽培において標高が高いことにはいくつかのメリットがあります。
■病害虫のリスクが低減する
高標高の地域は気温が低く、湿度も適度に管理されやすいため、コーヒーの主要な病害虫（例えばコーヒーベリーボーラーやさび病など）の発生リスクが低くなります。これにより農薬の使用量を減らせる可能性があり、より持続可能な栽培が可能となります。
■生育環境の安定性
高地は昼夜の温度差（寒暖差）が大きいことが多く、この寒暖差がコーヒーの成熟をゆっくりかつ均一に進めるため、品質の安定化につながります。また、標高が高い地域は降雨パターンが比較的安定していることも多く、栽培環境が安定しやすいです。
■土壌の質が良い場合が多い
多くの高標高地域は火山性の肥沃な土壌を持っていることが多く、これがコーヒーの健康な生育を助けます。良質な土壌は根の発達を促し、栄養吸収を効率化します。
■持続可能性・環境保護の観点
高標高の山岳地帯は自然環境が豊かで、生態系が保たれていることが多いため、森林保全や生物多様性の維持に寄与しやすいです。これにより、環境に配慮したコーヒー生産が促進されます。
コーヒー栽培の標高の高さは味だけでなく、生産面や環境面でも多くのメリットがあるのですね。
標高が高い方が豆には良さそうですが、輸送コストや生産者の生活に影響しそうです。
まとめ
コーヒー栽培の標高だけで味が決まるわけではありませんが、コーヒー豆を選ぶひとつの選択材料として知っていてよい知識だと思います。同じブラジルでも地域や農園によって標高が違うので飲み比べするのも面白いかもしれませんね。
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